「胸がどんどん垂れている…」「胸が正しい位置にない…」「昔よりも胸が下がってきた…」
このように思い始めたら、それは垂れ乳の兆候である可能性が高いでしょう。
若い頃と比べてバストの形が変わってきたり下がってきたりしている場合、垂れ乳対策をしないと取り返しがつかないことになってしまいます。
垂れ乳とは?基準や特徴は?
垂れ乳とはその名の通り「胸が垂れている状態」で、年齢を重ねるにつれて症状が加速する傾向があります。
たとえ胸の小さな女性でも、多少なりとも膨らみがあれば垂れ乳になる可能性ありです。
- バストトップの乳首が下がって下を向いている
- バストの張りがなくなって萎んでいる
- バストの下部分がたわんできている
- バスト全体のボリュームがなくなっている
女性のバストの理想的な高さは、「鎖骨の真ん中」と「左右のバストトップ」を繋ぐラインがキレイな正三角形になるゴールデントライアングルです。
ゴールデントライアングルが縦に長い二等辺三角形になると、バストが垂れているサインになります。
垂れた胸になるのはなぜ?垂れ乳の原因まとめ
なぜ垂れた胸になってしまうのでしょうか?
多くの女性は加齢で垂れ乳になっていきますが、第二次性徴期を過ぎてふっくらと膨らんだバストを持つ10代や20代の若い女性でも、日々の生活習慣が引き金になって垂れ乳になることがあります。
遺伝による元々のバストタイプが引き金
バストは次の2つのタイプに大きく分けられます。
- 脂肪が多くついている柔らかいタイプ
- 乳腺の発達で固くなっているタイプ
バストタイプは、ほぼ遺伝によって決まるのが特徴です。
固めのバストと比較してみると、脂肪タイプの柔らかいバストを持っている人は、脂肪の多さが理由で垂れたり形が崩れたりしやすい傾向があります。
脂肪の多い柔らかいタイプのバストは日本人に多く、遺伝が垂れ乳の大きな原因になっている場合も多いのです。
乳腺を支えるクーパー靭帯が伸びている
そもそもバストは解剖学的に見ると、次の4つの組織で構成されています。
- 母乳を作る働きを持つ乳腺
- 乳腺を保護する脂肪組織
- バストの土台になる大胸筋
- 内部から支えているクーパー靭帯
乳房を支えているクーパー靭帯が伸びたり切れたりするのも、垂れ乳の大きな原因です。
バストの形をキープするためにはクーパー靭帯が欠かせません。
乳腺が発達する10代の後半から20代前半にかけてバストは膨らみを増しますが、年齢を重ねるにつれて乳腺の発達は衰えていきます。
その影響で皮下脂肪の割合が大きくなってバストの重みが増し、それを支えきれずにクーパー靭帯が伸びることで垂れ乳を引き起こすという仕組みです。
クーパー靭帯は強い刺激や運動で切れたり伸びたりするものの、損傷しても痛みや違和感は特にありません。
つまり、日常生活の中で気付かない間にクーパー靭帯がダメージを受けて垂れ乳が進行するという可能性も十分にあり得るのです。
遺伝による元々の骨格が引き金になることも!
垂れ乳の原因はバストタイプやクーパー靭帯の損傷だけではなく、遺伝による元々の骨格が引き金になるケースも少なくありません。
人間の骨格はモンゴル体型の平胴タイプと欧米体型の丸胴タイプの2種類があります。
- 平胴タイプのバスト
左右が離れていて、トップの位置が低めで垂れやすい - 丸胴タイプのバスト
中央部分に寄っていて、トップが高めの位置にある
日本人女性はモンゴル体型の平胴タイプの骨格が多いため、欧米体型の女性と比べて垂れ乳になりやすいですね。
女性ホルモンのエストロゲンが減少している
女性の卵巣から分泌されている女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。
エストロゲンは乳腺を発達させる作用を持っていますので、エストロゲンの減少は垂れ乳の大きな原因です。
- 更年期を迎えて卵巣機能が低下している(若い時と同様にエストロゲンを分泌できなくなる)
- 精神的なストレスによって自律神経のバランスが乱れている
- 不規則な生活習慣を送っている
加齢や不規則な生活習慣でエストロゲンの分泌量が減少すると、バストのハリが失われて結果的に垂れ乳が進行していってしまいます。
下着のサイズや付け方が間違っている
下着のサイズや付け方が間違っていると、垂れ乳の原因になりやすいので注意しないといけません。
- サイズの大きなブラジャーを選んでいると、バストをしっかりと支えることができなくなって下方向に流れやすい
- サイズの小さなブラジャーを選んでいると、締め付けによる血行不良でクーパー靭帯に負担が加わる
- ノーブラで過ごす時間が多いと、重力に従って下に落ちようとするバストを支えられなくなって垂れ乳になりやすい
垂れ乳を防止するには、自分が着用しているブラジャーのサイズが合っているのか確認することが大切です。
ノーブラは窮屈な感じがなくて楽ですが、垂れ乳やバストの型崩れに繋がりやすいので気を付けましょう。
体重の増減を繰り返している
ダイエットをして理想の体型を作ることは問題ではありません。
しかし、あまりにも激しく体重の増減を繰り返していると、垂れ乳の原因になることもあります。
女性の胸の大部分は脂肪と乳房組織で形成されているため、過度のダイエットで脂肪を落としているとバストの脂肪も落ちます。
バストの脂肪の減少で胸が垂れやすくなったり、バストが全体的にサイズダウンしたりしやすいのです。
また、無理なダイエットは健康を損ねてしまいかねないので、今一度やり方を見直してみましょう。
垂れ乳の対策方法|垂れた胸を改善するには?
一度垂れてしまった垂れ乳は改善できるのかどうか、気になりますよね?
乳腺を支えているクーパー靭帯は一度切れると元に戻すことができませんが、日頃からのバストケアで垂れ乳を対策することは可能です。
ここでは垂れ乳の対策方法をいくつか紹介していますので、垂れた胸で悩んでいるような場合は一度実践してみてください。
ナイトブラを着用して眠る
ナイトブラは日中に使用するブラジャーとは違い、就寝時専用のブラジャーを指します。
ナイトブラを着用して眠るのは、垂れた胸を改善する方法としておすすめです。
ノーブラで寝ている頻度の高い女性は、垂れ乳のリスクがアップしますからね。
胸に支えのない状態で眠るとバストが重力で引っ張られて移動し、クーパー靭帯が伸びて損傷しやすくなります。
しかし、ナイトブラを着用して眠れば、バストが上下に移動したり横方向に流れたりするのを防いでくれます。
どの製品も締め付けが少なくてゆったりとした設計になっていますので、快眠が阻害されるような心配はほとんどありません。
- 下方向からのバストサポート力が高いかどうかで比較する
- 脇や背中へのバストの逆流防止機能がしっかりしているかどうかで比較する
- パッド下部が分厚くてバストのお肉を高い位置で支えられるかどうかで比較する
ふんわりとした理想のバストを作るサポートをしてくれますので、垂れ乳で悩んでいるなら、ぜひナイトブラを着用してみてください。
エクササイズやマッサージに取り組む
バストのエクササイズやマッサージに取り組んで日常的にケアしていると、垂れ乳を改善することができます。
加齢によってバストの土台の大胸筋が衰えたり肩こりの悪化で血流が悪くなったりしていると、バストのハリが失われて垂れ乳になりやすいため、日頃からのエクササイズやマッサージは実に効果的です。
バストが下垂れしないように気を配っていれば、ふっくらとハリのあるバストを守ることができます。
- 腕立て伏せ
胸を肩幅くらいに開いて大胸筋を意識しながら腕立て伏せを行う - 合唱ポーズエクササイズ
両手を胸の前で合わせて合掌ポーズを作り、バストを持ち上げるイメージで両手に力を入れて15秒間程度キープする - 肩甲骨を柔軟にするストレッチ
右手を上に上げた状態でひじから曲げて背中で手を組み、肩甲骨周りの筋肉を伸ばす - リンパを刺激するエクササイズ
両手を頭の上で組み、そのまま左側に倒したり右側に倒したりする - バストアップマッサージ
バストアップクリームを使い、下から上に持ち上げるイメージでバストをマッサージする
1日や2日で垂れ乳が改善するわけではないものの、大胸筋を鍛えたり血流を促したりするケアはとても大切です。
バストマッサージであまりにも強く揉み過ぎていると、クーパー靭帯が伸びてしまう恐れがありますので充分に注意しましょう。
姿勢を良くする
姿勢が悪くて猫背気味の女性は、バスト付近の血流が悪化して乳腺が退化しやすくなります。
乳腺の退化でバストのハリがなくなったり垂れ乳になったりしますので、常日頃から姿勢の良さを意識してみましょう。
肩から腰が緩やかなS字ラインを描いている状態は、垂れ乳を対策する上で理想的な姿勢です。
気付いた時だけでも、ピンと張った姿勢を意識してで過ごすようにしましょう。
垂れ乳の防止や予防で押さえておきたいポイント
今はハリのあるバストでも、加齢によって少しずつ垂れてくる可能性は十分にあります。
一度垂れ乳になってから若い頃の状態に戻すのは難しいため、日頃から予防ケアを意識的に行うべきです。
一体何をすれば垂れ乳を防止できるのかチェックしておきましょう。
ブラジャーのサイズを見直す
上記の項目では、垂れ乳の対策でナイトブラの使用が良いと説明しました。
しかし、日中に着用しているブラジャーのサイズが合っていなければ意味がありません。
「付け心地があまり良くない」「少しずつずれ上がってしまう」というような場合は、ブラジャーのサイズが合っていないのが原因ですね。
- トップバストはちょうど左右の乳首を結んだライン
- アンダーバストはバストのすぐ下のライン
トップとアンダーの2つの数値の差でカップのサイズを決めてブラジャーを着用していれば、バストをしっかりと支えて垂れ乳を防止できます。
自分のバストのサイズを測る時は、ゆっくりと深呼吸をして身体の力が抜けた状態で行うのがポイントです。
日々の生活習慣を見直す
日々の生活習慣の見直しも、垂れ乳の防止で欠かせません。
間違った生活習慣を送っていると、10代や20代の若い女性でも垂れ乳が進行していきます。
- うつ伏せの状態で眠らないようにする(うつ伏せ寝はバストが潰れて型崩れの原因になりやすい)
- バストに必要な脂肪を残すために、タンパク質やコラーゲンを中心に摂取してバランスの良い食生活を送る
- 女性ホルモンのエストロゲンと似た働のある大豆イソフラボンを含む食べ物を意識的に食べる
- 有酸素運動を意識的に行って運動不足による基礎代謝の低下を予防する
一度に全ての項目に取り組むのは大変なので、まずは自分ができそうな対策から取り入れてみましょう。
垂れ乳の原因と対策|まとめ
垂れ乳は加齢によって引き起こされやすいですが、ナイトブラを着用したりエクササイズに取り組んだりと日々の生活で改善することができます。
「すぐに効果が出ないから…」という理由でやめてしまうのはもったいないですよ。
形の良い理想のバストを手に入れるのは不可能ではありません。
少しずつでも垂れ乳の対策を始めてみましょう。